恐怖体験その２「やわらかい引き戸」
＜八戸発、七色百面相千変万化プラザ小中野ブログへようこそ！＞
「いや～おかげさまでうんたらかんたら…」
は!?なーんにもあなたに貢献してないけど!?
どうも、せいはちクンです
… …… … …… …… … …… … …
その日の朝は、ほんの数メートル先にある我が家さえ、はっきりとした輪郭をなさないほどの分厚いもやが一帯を覆っていたのでした…
……
朝方に出先から帰ってきた私は、砂利が敷かれた敷地内へと足を踏み入れ、玄関に向かって歩いていました…
その足音が耳に届く頃には角がとれているように感じたのも、気のせいではなかったと思います…
しかしいくらもやが分厚くても、そこは慣れ親しんだ我が家、手探りだけだったとしても玄関先までたどり着くことなど他愛もない事でした…
結果、たどり着くだけだったらの話になってしまいますけれども……
……
砂利を踏む柔らかい足音が、2歩、乾いた音に変わった後に私は玄関の前に立っていました…
ここで私は気付くべきだったのです…
分厚いもやが吸い取っていたのが音だけではなかった事に…
私はおもむろに、正におもむろに、引き戸の取っ手に手をかけたのです…
むにゅぅぅぅぅ
！！！！
あり得ない触感だったので私の指は反射的に、弾ける様に取っ手から離れていました！
え、なになに！？
え！？
え！？
どういうわけか我が家の引き戸がぶよぶよになっているのです！
そ、そんなバカな！
わずか30cm程先にある見慣れたいつもの引き戸、やわらかそうにはとてもとても見受けられません
と、いうことは……
私は恐る恐る普段よりいくぶん露出しているはずの目玉だけを、取っ手部分を捉えるべく下へ……
下へ…
下…
……
!!
ぎ、ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁおぁぁおぁあぁぁぁあぁぁ！！！
な、
な、
な、
なめくじぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ！！
そう！
引き戸の取っ手部分にぴったりと巨大なめくじが収まっていたのです！
その”ぬめぬめ”とした粘着質の物体を、薬指、中指、人差し指で触ってしまったのです！
……
分厚いもやに私の意識、注意力までもが吸い取られた結果、なめくじに吸い寄せられてしまった私の右手…
普段であれば気付けたはずの異変…
もや…
なめくじ…
ああ…なんて恐ろしい…
……
……
ジメジメしているこの季節
あなたの身にも起こりうる事ですので十分にお気を付けください…
それではまた…
